竜の友達 1 A dragon’s friends part1
ある日マドレーヌは空を飛べる気がしました。
坂道を全速力で駆け降りて思い切り飛び上がりました。
体が放物線を描くように地面に近づいてきましたが、マドレーヌは飛べると信じました。
もうすぐ足が地面に着くというその時、マドレーヌは一匹の竜になりました。
緑色の鱗を輝かせて竜は一気に空を駆け登りました。
空高く登った竜は、今度は遠く遠く飛んで行きました。
飛ぶのに疲れた竜は、ゴツゴツとした岩が立ち並ぶ岩山に降りました。
そこで三匹の虫と仲良くなりました。
しかし、三匹のうちの一匹が言いました。
「仲良くなったって、竜はお腹が空いたら僕達を食べてしまうんだ」
竜は傷つきました。
「そんなこと絶対にしないよ」
竜は真剣に言いましたが、虫たちは首を横に振って、信じてくれませんでした。
三匹のうちの別の一匹が言いました。
「もし今僕らを食べなかったとしても、明日には僕たちのことを忘れてしまうんだ」
竜は言いました。
「じゃあ、また明日君たちに会いに来たら、私のことを信じてくれる?」
虫たちは顔を見合わせて、その後頷きました。