竜の友達 2 A dragon’s friends part 2
辺りが暗くなってきたので、竜は帰ることにしました。
家に着くと竜の体は元の人間の体に戻りました。
夕食の時にマドレーヌはお母さんに言いました。
「今日は空を飛んだよ」
お母さんは言いました。
「そんなことをしてはいけません」
「どうして?」
「非常識で変なことだからよ」
マドレーヌはしゅんとして黙って夕食を済ませました。
夜、布団の中でマドレーヌは考えました。
「空を飛ぶのはいけないこと。でも、空を飛ばないとみんなに会えない。」
翌朝、目が覚めたマドレーヌは他の人を起こさないように布団を抜け出して、家を出ました。
マドレーヌは駆け出しました。
最初は足が絡まってうまく走れませんでした。
それでも夢中で地面を蹴りました。
飛べるかどうかは分かりませんでした。
でも飛びたいと思いました。
高く飛び上がって、飛べ、と心の中で叫びました。
もう足が地面に着いてしまいそうです。
マドレーヌはもう一度、今度は声に出して、飛べと叫びました。
マドレーヌは竜になりました。
竜は空を駆け登り、遠くに飛びました。
遠くに岩山が見えると、どんどん早く飛びました。
岩山に降りると三匹の虫がいました。
「また会いにきたよ」と竜は言いました。
虫たちは顔を見合わせて、その後飛び跳ねて喜びました。
「私のこと信じてくれる?」
竜は聞きました。
「もちろん」
虫たちは答えました。
「ここにいてもいい?」
また竜が聞きました。
「もちろん」
虫たちは答えました。